タンゴの夜。
ピアニストのパブロシーグレルのコンサートへ。
会場は浜離宮朝日ホール。
ここの音響的な質はかなり高いそうです。
サントリーホールなんかは実は失敗作だと聞いたことがあります。
ホールも楽器の鳴りと一緒なんでしょうね。
設計どおり建設しても、いい音を響かせるホールはなかなかできないそうです。
昨年見られなかった来日コンサートに今回足を運ぶことができてよかった。
来場すると、少しマニアックなだけに関係者の姿が目立った。
座席は一階席でも若干空席があった。
シーグレルが日本で演奏するメンバーを自らオーディションで選抜したらしい。
日本を代表するミュージシャンがシーグレルの脇を固める。
タンゴのドラマティックなメロディーラインをバンドネオンで滑り出す。
ファーストセットはこの曲とフーガと神秘がピアソラの曲。
後はシーグレルの曲だ。
印象的だったのは、ラ・ラジェラ(石蹴り遊び)というシーグレルの曲。
爽快感のあるタンゴで南米の太陽を彷彿させるような疾走感のある演奏だった。
ファーストセットの最後に演奏された、フーガと神秘はタンゴの名曲。
4人のメンバーがそのチューンに従って各々音を重ねていく。
バッハのフーガと同じように美しく構成されていく演奏に、厳粛な雰囲気が漂う。
セカンドセットは、最初の2曲がシーグレルと鬼怒のDUO。
一曲目の途中、少しアンサンブル的に合っていないような気が・・・・。
一瞬止まってしまうんじゃないかと思ってヒヤヒヤでした。
全体的にはこのDUOはもう少しダイナミックさがあっても良かったんじゃないかと思いました。
それにしても上手い人でもそんな事あるんだなあ・・・。
最後の3曲はスペシャルゲストの梅津さんが入る。
クラリネットを携えた梅津さんの存在感はすごかった。
体で表現するというかおしゃべりな(音で)楽しげな音楽家。
シーグレルも負けじと応戦。
梅津のおしゃべりな即興に若干押され気味だったような気がした。
タンゴというよりはむしろフリージャズ的要素の濃い即興三昧で、最後を締めくくった。
アンコールは、待ってました!
リベルタンゴ!!
とても良いコンサートだったのですが、個人的にはなんとなく消化不良というか燃え尽きないタンゴの夜でした。
初日だっただけに、調子が出なかったのかもしれませんが、全体的にこじんまりした演奏だったような気がしました。(辛口かな~)