残雪と雨の大日三山 2日目
7月14日
天気予報通り、雨模様。寒い。
朝食後は、早速出発の準備に取り掛かる。
予定は来た道を戻り室堂へ到着後、バスで宿泊先の天狗平山荘へ向かう。
我々の脚では昼までに到着出来ない想定の為、お弁当の用意をしてもらう。
暖かい陽だまりのような小屋からまた緊張感溢れる山々と対決⁉️するのかと思うと、逃避したくならないでもない。
行かねばならぬと一同覚悟して歩み始めた。
来た道を引き返すという点で、多少予測して歩く事ができ、往路と比較し心情的に余裕があった。時間的にも昨日より余裕を持たせていた。
雨模様で滑りやすい登山道に緊張感を持って進む。また昨日の疲労から休憩を多めにした。
道すがら大きな岩に腰掛けて、弁当タイムにしたりオヤツタイムにしたりした。
途中雪渓をトラバースする時に雷鳥の親子に遭遇した。父は滑りやすい雪渓上で足を取られながら雷鳥親子を追いかける。さぞかし良い写真が撮れたに違いない。
今度は新室堂乗越から雷鳥沢に降りる雪渓の途中、雷鳥のつがいがいた。しばらく観察していたが、全く警戒心もなく逃げようともしない。
日も暮れそうなので、雷鳥達とお別れし道を急いだ。
そして最後の死闘、雷鳥沢から室堂への果てしない登り階段。雨もかなり強くなり私は傘をさしたが、これまた強風に煽られ危ないだけだった。途中振り返るとカラフルなテント群が見える。土砂降りの中テント泊とは大変だ。
母は特に一歩踏み出すのがやっとだ。
父は昨日より高度慣れしたのか元気で足取りが軽い。
みかねて母の荷物を父が背負うと、母の動きが良くなった。
母をみて、登山はやはり体重を軽くせねばと思った瞬間であった。
室堂に到着したのが16時頃だった。全員疲労困憊した濡れねずみの様相。
本当は時間が有れば、みくりが池温泉に立ち寄りたかったが、一同そんな心の余裕も体力も残っていなかった…。
バスで天狗平山荘に到着した時の安堵感、これまた大日小屋に到着した時とは別の安堵感であった。丁寧に整備された木道、沢山の人々の往来するエリアに対してだ。
夕食前に風呂に直行。夕食はビール🍺で乾杯。天狗平山荘の料理やデザートは本当に美味い。食後にコーヒーとシフォンケーキを注文した。
疲労で脚が動かないという母の痛々しい呟きが気になったが、個室で何不自由なく隣人に対する気遣い(イビキ)を気にしないで全員爆睡した。
翌日はバスで下山するのみ。
緊張感がある山行となり、一寸先は闇と言えなくもない状況の元、全員無事下山できて本当に良かった。
一同少しばかり自信が付き、次の目標に選んだのは薬師岳である。
充分トレーニングを重ねてもらうようお願いした。