でんぶんじょの楽しみ

ドライブと山とスキーを最高に楽しむ。時折スピリチュアル。

ギター道場へ

以前弾き比べをさせてもらったが、購入には至らなかった店だった。
あれから4年が過ぎ、そろそろギターを購入しようかと思って立ち寄った。
私は640の弾きやすいギターを探していたが、中古では今回該当する予算のものが見つけられなかった。
そこで、新品でアランフェスの720というギターを試してみたいので、取り寄せしてもらい試奏させてもらう事になった。
この720というギターはタカミネと桜井さんとの合作だという事で、他のアフランフェスとは相違(他は松岡ギター)する音であるという事。
店主は立ちっぱなしでギター製作や特徴、ギターの歴史等を手短にだが凝縮した情報を1時間程度でお話してくれた。私の他には学生らしきフラメンコギター初心者の男子。
二人で同じく立ちっぱなしでありがたく講義を聴講していた。
勉強になったので備忘録として残したい。
 
・ギターが現在の形状になったのは約200年程前。
・元々スペインではなく、他の(忘れた。ドイツ?)ヨーロッパで工房が栄えていた。
・製作方法はドイツ式とスペイン式があり、ネックが組み立て式のドイツ式と一本竿で出来ているスペイン式とがあるらしい。どっちがいいかというとまあスペインがいいらしい。手工ギターはスペイン式が多い。ドイツ式は生産上の効率化から生まれた方法らしいが・・・。(店主曰く、ドイツ人は頭がいい。スペイン人は・・・)
・マーチンギターという有名メーカーがあるが、創設者はドイツ式でギターを生産したらしい。ドイツで修行した為。
・1960年代や1970年代のギターは弦長が665等、現在より弦長が長く、杉材を使用したものが多い。(店頭にあったホセ・ラミレスを出してきて)「昔は自分もこういうので弾いていたけど、歳をとると弾けなくなるのよ。だから最近はテンションが低い640のギターとかを団塊の世代にお薦めしてます」との事。
・昔の良いギターとされる条件は鳴りが良く、大きな音が出るものだったらしい。
・最近のギターは650が標準で松材が良いとされている。理由は杉材の大きな音が求められなく(一般的に)なってきた事と、松の方が杉より音に深みがあるとの事であった。
・木材は含水量が最も低い状態になったっものを使用しているらしい。指板に使われるローズウッド等は、アメリカの五大湖に長年漬けこまれて埋没林化した木を使うとのこと。不思議な事に水につけると含水率が低下し乾燥するという。
・ギターは乾燥に弱く、特に屋外に持ち出して割れる可能性もある。店主曰く、とある晴れた冬の日にパキっと割れたらしい。特に指板とボディーの間から割れる率が高いという事。乾燥による収縮率が相違する為らしい。
・フラメンコギターとクラシックギターの違いは、フラメンコの方はパーカッシブに使われる事が前提になっており、音はあまり鳴らない。あくまでも伴奏としての押さえた音を要求されている為。
そして弦高が低い。ボディが薄い。一見弾きやすいのではないかと思われるが、ボサノバさんにはお薦めしないらしい。ただし佐藤正美さんは使用していた事があるらしい。
・ギターが最も売れる国、それはアメリカ合衆国らしい。
・日本でのギター人口は今や団塊の世代がトップとのこと。(ガットギター)
・1960年代の日本人の手工ギターについては、この時代は日本が海外のコピーをして製作していた。だから見よう見まねの段階であまりお薦めしないらしい。(中国が日本製コピーしているのとおんなじか?)
・弦長が短くなると音が小さくなるが、テンションがゆるくなるので弾きやすくなる。ただし良いギターだとたとえ640でも650と同等の音量が出るとのこと。
 
以上忘れないように書きました。
このお店、店主のギターライブラリーも兼ねている。
一点一点に思い入れがあり、面白いギターも見せてもらって満足。
来週は弾かせてもらえるのが楽しみです。
 
足を運んで良かった。とても有意義な一日だった。