何も持っていない人
都心で2万円の家賃、風呂なし、トイレ共同。
住人はお年寄りばかりらしく、ギターを弾く事が既に公認されており、部屋弾きを堂々としている。
偶にお年寄りに頼まれて電球を替えてあげたりしているらしい。
本人曰く最新コミュニケーションツールには投資しており、色々な配信環境は整っているらしい。
しかし、どうもコミュニケーション下手で、ここぞという営業チャンスに一人黙々とモバイルをいじる為、対人スキルは磨いた方が良いと思われる。
両親からの仕送り(家庭菜園の野菜)が食べきれず、物干しざおを使って干し保存食にしているらしい。
知り合いのリッチなプロのボーカリストのお姉さんから、大きすぎる(部屋が小さいので)ソファーを勝手に送られてきて迷惑しているという。(それは単にみかねて親切にくれただけだと思うが)
とにかく物を持つ事を嫌がる。
最近ではギターも売って違う物を買ったらしい。
長年弾きなれたものを手放すというのは、なかなかできないものだがある意味尊敬。
断捨離のスペシャリストとしてどこかの雑誌に取り上げてもらいたいぐらいだ。
そして青春18きっぷのヘビーユーザーでもある。
無駄なく利用して全国各地を回ってライブやらレッスンやらに出かけ始めた。
何も持っていない生活を知っている人間は恐れ知らずだ。
お金なし・物なしの生活に恐れを抱くのは物にあふれた生活をしている人。
死を恐れる理由が、誰も経験していないからってのと似ている。